民泊等の消防用設備等の設置基準について

民泊等の消防用設備等の設置基準をご存知ですか?

訪日客の急増に伴い、ホテルや旅館など宿泊施設の不足が指摘されていますが、最近では、自宅の空き部屋やアパート、マンションの居室を宿泊施設に転用するなど、いわゆる“民泊”施設が登場、宿泊先に悩む外国人観光客の“受け皿”になっているようです。

観光庁の2017年7月~9月の調査では、少なくとも1泊はこの民泊を利用している観光客は7人に1人だったことが分かり、改めて民泊が注目を集めています。しかし一方で、宿泊客が夜中まで騒いだり、ごみ出しルールに従わないなど、近隣住民からの苦情が多く寄せられていることも事実です。

政府は、こうした動きを受け、住宅宿泊事業法(民泊新法)をこの6月15日から施行、管理・運営側の義務が明文化され、遵守できない場合は業務停止や登録取り消しができるようになりました。また、防災面では、消防庁が「住宅宿泊事業法に基づく届出住宅等に係る消防法令上の取扱い」と題する通知を行い、民泊もホテルや旅館などと同様に、消防設備の徹底を図っていくことにしています。

消防用設備等の設置基準

※スライドでご覧いただけます

  飲食店 物販店 宿泊施設
消火器 ● 建物の延べ面積150㎡以上
※地階または窓の少ない階で床面積50㎡以上の場合は設置が必要になります。
自動火災報知設備 ● 建物の延べ面積300㎡以上
※飲食店の地階または窓の少ない階で床面積100㎡以上の場合は設置が必要になります。
● すべての施設
※無線式のもので簡便な工事により設置できる場合があります。
誘導灯 ● すべての施設
※一定の要件を満たした場合、設置を免除できることがあります。

300㎡未満なら「特定小規模施設用自動火災報知設備」が利用可能

消防庁の「住宅宿泊事業法に基づく届出住宅等に係る消防法令上の取扱い」と題する通知は、具体的には、一般住宅の空き室や空き家、あるいは投資用物件を民泊とする場合は、ホテルや旅館と同じように消火器、自動火災報 知設備、誘導灯など消防用設備の設置を求めていることです。 ただし、民泊部分が建物全体の半分未満で50㎡以下である場合は一般住宅として扱われ、消防用設備の設置は不要です(すべての住宅に設置義務がある住宅用火災警報器の設置は必要です)。 また、民泊部分が大きくても建物の延べ面積が300㎡未満の民泊施設には、自動火災報知設備は民泊部分のみに設置すればよく、なおかつ「特定小規模施設用自動火災報知設備」の導入が可能です。

「特定小規模施設用自動火災報知設備」の内容とその特徴

特定小規模施設用自動火災報知設備は、延べ面積が300㎡未満の小規模な宿泊施設に利用できる設備で、通常の自動火災報知設備のように受信機(本体)、感知器(センサー)、音響装置(ベル)などを設置して配線で接続する方式のほか、無線式の連動型警報機能付感知器のみを設置する方式があります。

その特徴は以下の通りです。

・電池式の感知器は、電源の配線工事が不要です。
・感知器同士が無線通信を行うものは、感知器間の配線工事が不要です。
・感知器自体が警報音を発するため、音響装置の設置が不要です。
・すべての感知器が連動して警報音を発する場合、受信機の設置が不要です。この場合、工事には消防設備士の資格が不要で、工事に着手する前の届出も不要です。

住宅用火災警報器なら、薄型ワイヤレス連動型がおすすめ

1か所で煙や熱を検知すると、すばやくお知らせ

民泊部分が建物全体の半分未満で50㎡以下である施設は、消防用設備の設置は不要ですが、住宅用火災警報器は設置が必要です。そして、単独型より連動型にするとさらに効果的です。
たとえば夜中に1階で火災が発生。単独型だと約7分後に鳴動しますが、1階はすでに煙が充満しています。一方、連動型の場合は、火災発生と同時に2階の警報器も鳴動しますので、すぐに火災を発見、初期消火が行えます。
平成32年の東京オリンピック開催年には、約8000万台が義務化後の設置から10年を迎えます。住宅用火災警報器は、設置後10年で交換するのが望ましとされているだけに、この際、火災の早期発見、死亡リスク減少に効果大の連動型への交換をお勧めします。

「薄型ワイヤレス連動型住宅用火災警報器」の特徴

連動型の親機

連動型の子機

・火元では「火事です火事です」、連動している他の部屋では「ほかの部屋で火事です」 と警報メッセージを変えてお知らせ。また、連動している部屋の警報器を止めると、火元以外の警報音がストップするので、火元の特定が容易です。
・子器~親器間で電波が届きにくい場合、親器が電波を中継、連動漏れを防ぎます。
・親器もしくは子器のうち、1台で操作するとすべての警報器が連動して動作試験ができます。試験時は大音量の火災警報音ではなく、ご近所のご迷惑にならない程度の音量で、「ピッ、正常です」と約1分間鳴り続けるので、1人で見て回ることができます。
・設置後も1日1回、自動的に親器~子器間で相互に 電波が届くかを確認し、電波の信頼性を確保します。
・どの位置からも見やすい作動灯で火災の異常もハッキリ表示。警報停止ボタンも大きく押しやすく進化。

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